今年で第12回目を迎えた「ほとけの心フォトコンテスト」ですが、おかげさまで、今回も多くの作品が集まりました。
9月18日に選考委員会を開催し、優秀な作品の中から選りすぐりの32点(テーマを含む)を入選作品に決定しました。尚、入選作品を掲載した冊子は2026年3月の刊行を予定しています。
●審査員…丸林正則氏(写真家)、杉全泰氏(写真家)、金子美智子氏(写真家)、楳村修治氏(写真家)
●賞金… 表紙採用3万円(1点)/入選作品1万円(31点)

講評
石仏の前にちょこんと立つリスの姿は、まるで小さな手を合わせて拝んでいるよう。その愛らしさの中に、自然への慈しみと穏やかな温もりが感じられる。

講評
日の出直後に現れた光の虹が、自然の豊かさと移ろいを語る。未来への希望を感じる、清々しい一瞬を捉えた一枚。

講評
巣立ちを見守る親鳥のまなざしに、深い慈しみと慈悲が宿る。花咲く背景が命の尊さと愛情をより一層際立たせている。

講評
たいまつの炎が幻想的で、あえて映されない手の存在を想像させる構図が巧み。炎の模様や水面の反射も効果的で、人間の欲や執着を象徴的に描いている。

講評
子猿を抱く姿に溢れる愛情、無私のやさしさを感じさせる。光が毛並みを柔らかく浮かび上がらせ、温もりある印象を深めている。

講評
桜梅桃がそれぞれの個性で咲き誇り、中央の黄色が全体を引き締めている。多彩な色の調和が見事で、美しさが際立つ作品。

講評
「心」と「深さ」が静かに響く心象風景。余白の美が作品に落ち着きを与え、印象深い一枚となっている。

講評
雨粒が降り注ぐ中、凛として佇む小鳥たちの姿に心打たれる。晴れでも雨でも、自然の美しさをそのまま受け入れているような静ひつな瞬間。

講評
波が崩れかける静けさと、クリアなガラス越しのように見える遡上するサケの群れが、生命の美しさと静ひつさを巧みに表現している。

講評
雪の枝に残る木守柿を小鳥たちがついばむ姿は、人の思いやりを映し出す。あえて残された実は、命を分かち合う慈愛のしるし。施す心が巡り、豊かさを育んでゆくことを静かに語りかける。

講評
ほっと心が和む月夜の情景が見事に捉えられている。雲間から差し込む月光が池に映り込み、自然な美しさがそのまま伝わる。彩雲の繊細な色合いも印象的。

講評
ヤギの愛らしい表情がほのぼのとした雰囲気を生む。代々受け継がれる鯉のぼりの動きが命の尊さを感じさせ、一枚の画に豊かな物語が込められている。

講評
青とピンクの紫陽花が響き合うように咲き、空の朱と海の紫が重なり合う。色彩の豊かさが縁の広がりを思わせ、花々が寄り添い調和する美しさが見事に表現されている。

講評
整然と並ぶ石の器に桜の花びらが静かに降り積もり、心の静けさを映し出している。左の隙間を流れる花びらが、まるでもう一つの画面のようで、静と動、器と流れの対比が不思議な余韻を残す印象的な作品。

講評
言葉通りの写真。三羽の間隔も良く、遠近感もあり、愛らしい。

講評
リスを優しいまなざしで捉えた好作品。リスと同じ高さのアングルが立体感と生き生きとした動きを際立たせている。手の動きやこぼれたエサの配置も絶妙で、全体の構図が非常に優れている。

講評
紅葉の一色と樹のうねりの対比が良く、文言を象徴的に表現している。

講評
雲に覆われた闇の中から一瞬出たダイヤモンド富士の光。静ひつな良い感じがある。

講評
適切なシャッター速度と黒い背景が、落ち葉がぴたりと止まっているかのような美しい姿を鮮明に捉えている。裏表を見せて散る紅葉の情景が見事。

講評
左右の対比と、その先を進む列車の方向が見る者の想像をかき立てるユーモラスな一枚。芝桜のピンクと列車の赤が鮮やかに印象を残し、「中道を歩む」テーマを巧みに表現している。

講評
写真ならではの表現で、色彩が溶け合いまるで油絵のよう。流れる映り込みの青と緑が清々しく美しく、動かない岩が全体のバランスを引き締めている。

講評
仏像全体ではなく部分的に捉えたフレーミングが効果的。宝珠にピントを合わせたことで訴える力が生まれ、背景の玉ぼけが美しく、幻想的な雰囲気を添えている。

講評
次々と吸い寄せられるように集まる落ち葉たちが、まるで満たされることのない欲望を象徴しているかのよう。その美しさの奥に、どれほど集めても満たされぬ欲望の深さが垣間見える。

講評
風鈴の色彩バランスと絶妙なぼけが美しく、幻想的な世界観を創り出している。単なる写実を超え、表現写真としての魅力が際立っている。

講評
シルエットと光のラインが美しく調和し、シンメトリー構図と絶妙な距離感が作品に安定感をもたらしている。

講評
差し込む光が水面を照らし、あまねく世界を包み込むような神秘的な一瞬を見事に捉えている。光がすべてを等しく照らす様が、静けさと力強さを伴って表現されている。

講評
凛々しい表情の仏像に観音菩薩を映り込ませることで、「私と一体となる仏」や「寄り添う仏」の存在が巧みに表現されている。

講評
白鳥たちが鯉を優しく取り囲む姿が睦まじく、文言にぴたりと重なる穏やかな一枚。

講評
穏やかな眼差しのサイが見る者を和ませ、背景の緑も癒しの効果を高めている。ゆったりとした佇まいの中に、確かな力強さが感じられる一枚。

講評
天から差し込む光芒が、まるで仏がこの世界に降り立つ瞬間を象徴しているかのよう。繊細な色合いも美しく、静かな感動を呼び起こす。

講評
固まった霧氷が太陽の光に逆らわず溶けて水に還る様子が、文言を象徴している。寒暖の対比も美しい。

講評
仏像の愛らしい表情と布地の色合いが調和し、信じる気持ちや願う思いが静かに写真の中に納められている。


